朝 (2011/07/16 11:43)

食欲がなくて
パンを半分に切ろうとしたけど
どうしてもナイフが
握れなかった
「やって」と頼んだら
「めんどくさい」と言われた


ただそれだけのことなのに
なぜだか涙が流れた


ああ 疲れている
この人も疲れている


繰り返す日々
これからの長い時間
二つの言葉が押し込めている
津波


猛々しい太陽の光が
カーテン越しに
白く固まるダイニングは
あまりにも明るい


「ヨーグルトに何をかける?」
しばらくして 彼が聞いた
「何も」


静かに置かれたガラスの器は
光を弾いて
不揃いになった銀色のスプーンが
首を傾げたようにささっている


そういえば
「いつか」
としまった銀のスプーン
出してしまおうか


砂は再び落ちはじめる
二人の上に


埋め尽くすまで
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by treeintheheart | 2013-09-08 09:12 | 詩、物語、短歌…

魂の奥に下りて行って不思議な扉を開けてみてください。幾千年の時を経た大樹の息づく深い森。滴る光、湧き零れる水。そこに満ちる声の囁きを聴ける人になりたい。人の魂が、この星とそこに息づく数多の生命と、深いところで繋がっていることを感じとりたい。カリスマ性なんか微塵もない主婦Aの「闘病」「子育て」「考えごと」の記録…になるはず


by treeintheheart