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すべてみどりになるまで

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魂の奥に下りて行って不思議な扉を開けてみてください。幾千年の時を経た大樹の息づく深い森。滴る光、湧き零れる水。そこに満ちる声の囁きを聴ける人になりたい。人の魂が、この星とそこに息づく数多の生命と、深いところで繋がっていることを感じとりたい。カリスマ性なんか微塵もない主婦Aの「闘病」「子育て」「考えごと」の記録…になるはず

花の命は短くて

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先日は娘の誕生日でした。

でも、彼女は一昨年からあるトラブルに巻き込まれていて、それを抑え込むように何事もなかったように日常生活を送っているのでした。
一本の細い細い糸で自らを何かに縛りつけて辛うじてバランスをとっているかのようで、お誕生日のメッセージになんと書いたらよいのか、とても迷いました。

所謂「生まれ来てくれてありがとう」的なものはかえって思い出したくないものを思い出させ追い詰めてしまいそうです。
娘の名は新約聖書から採ったのですが、今それを語る時機ではないように感じました。

そんなとき林芙美子の「花の命は…」の全文を見つけたのです。
林芙美子は大変な苦労人で頑張り屋だった一方、なかなか癖のある人だったようです。少なくとも今の娘とは正反対です。
「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」
という言葉も、それ自体は共感するのですが、一人で呟いているのではなく、色紙に書くというのは、私の知らない感覚でした。

でも、全文を見た時に、私は「やられた」と思いました。それは、少し大げさに言えば、ごつごつした岩間をくぐり抜けたら大海原が見えたような感覚でした。

結局、全文をそのまま娘に送信しました。



 花の命は短くて
 苦しきことのみ
 多かりき
 風も吹くなり
 雲も光るなり
 生きてゐる幸福(しあわせ)は
 波間ののごとく
 漂渺とたゞよひ
 生きてゐる幸福は
 あなたも知ってゐる
 私もよく知ってゐる
 花のいのちはみじかくて
 苦しきことのみ多かれど
 風も吹くなり
 雲も光るなり

    林芙美子
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by treeintheheart | 2014-05-17 18:28 | 日々